ミスiD2017 ファイナリスト

No.108
茂木雅世モキマサヨ
1983年9月26日生まれ (34才)
茶人 /
自己紹介PR
私は、茶先を使って点てるお茶ではなく、急須を使って淹れる「煎茶」を専門としている。急須を使って淹れる煎茶は、暮らしにより近いところにある。茶道のような内向きの矢印というより、煎茶道は外向きの矢印があると感じる。
実際は難しい「人と人とをつなぐ」という事が、煎茶ならできるような可能性を感じる。だから私は煎茶道を一生の仕事として選んだ。
茶と人との関係は紀元前からとも言われており、千利休や古田織部・ノ貫など歴史を辿ると様々な茶人がいた。その時代だからこそ必然的に考えられた「茶」の概念があったし、茶と人とのかかわり方があった。
平成になり、「急須でお茶を淹れ、集う」という文化は少しずつ消えていった。しかし人がお茶を飲む時に、呼び起こされる「記憶」や「想い」は変わらず息づいていると感じる。では、これからの茶人は一体何を目指し、誰に向け、どんな活動をするべきなのか。
26歳の時に始めた私の茶人活動は今年で7年となる。幼少期、母と繋がれる唯一の時間が「お茶の時間」だった。言葉よりも絵画よりも音楽よりも、私にとって「茶」は淹れ手の心が読み取れる手段である。そして私を伝えられる手段だ。今までの7年間、全国様々な場所でお茶を淹れてきた。のべ2000人以上の人と茶を介して会話をした。
私はお茶をただの飲み物と考えていない。
茶を淹れる時はいつも目の前の人を想う。嫌な奴でも愛そうとする。対峙する。心を裸にすることは恐怖だ。だけど、茶でつながる時、裸でいられないのであれば、私の存在はこの世に必要がない気がする。だから泣いて、パニックになることもあったが、この活動をやめたくないと思った。
実を言うと、今まで私は正直に茶に対する想い(=自分の生き方)を述べることをしていない。そういう意味でちゃんと活動ができていない。メディアで取り上げてもらうこともあったが、きれいな部分を語るのみになってしまっている。
愛読書に「豪快茶人伝」という本がある。様々な時代の茶人のことが書かれている本だ。自分の思う「茶」を活動に落とし込んでいる先人の姿を想った時、私は茶人として、より自分らしくある必要があると思い、ミスIDにエントリーしようと思った。
これを通し、より自らの茶に対する想いを偽らずに伝えられる場を創りたい。そしてより多くの人と茶を介して繋がりたい。

将来の夢:御茶屋経営

最近起きたウレシイ出来事:自分の淹れたお茶を飲んだお客さんが無言で泣いたこと。

好きな映画:利休にたずねよ

好きなアーティスト、音楽:さよならポニーテール・大森靖子さん

好きな本:雪国(川端康成)・正坐の文化~煎茶道の文化とその思想~・茶の哲学

人生で「これだけは経験しておきたい」こと:誰かが淹れてくれた「お茶の味」に恋をすること

好きな言葉:「且坐喫茶」「アンビバレンス」「なんか好き」

あなたにとってのアイドル:売茶翁(高遊外)・水野しずさん
審査員のコメント
岸田メル
今の時代に、きちんとお茶を淹れてもらってゆっくりもてなされることなんてほぼなくて、僕らの世代だとなおさら。茂木さんのお茶素直にとっても美味しかったし、こういう機会がまたあったら行きたいなと思いました。できれば、茂木さんがどんなことを思い悩んで、どういう強い思いを持っているか聞いてみたかったです。長い活動をされていて行き詰ることも思い悩むこともあると思いますし、門外漢がわからない苦労もあると思いますが、色々な可能性を試して、これからも色々な人にお茶を広めていってください。
小林司
訴えていた事情以上に、おそらくいろんなことがあるんだろうなあこの世界は、と思いました。
それをやみくもに訴えるのではなく、あくまで品良く行動で見せていこう、切り開いていこう、という彼女に茶人としてのプライドを見ました。もはや自分を確立している人なので、受賞云々というよりも、ミスiDのような異種格闘技戦に自分から出てきたということで十分成し遂げている気がして、これを機にどんどん別のジャンルと交わっていけば、必ずなにかが見えて来るんじゃないかと思います。
どんどん交わりましょう。
山戸結希
映画の現場に、御茶のケータリングをお願いしたいです。御茶の撒かれるシーンにも、出演していただきたいです。