第二章賞

No.1136
雨月ウツキ
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むかしむかし、声を、言葉を、私の中の「私」を殺される呪いにかかった。

呪いに翻弄されてしにたい日々を何年も何年もやっていた。
そんなある日、呪いには 場面緘黙症(ばめんかんもく) なんて名前があることを知った。
でも、もう遅い。何もかも遅かったんだ。大切なものはとっくに失っていたから。永遠に続く黒い穴に突き落とされたみたい。今もずっと。


「私みたいな人はどこにもいない。世界中どこ探したっていない。どうして生きているのか、どうして生まれてきたのか。
いっそこの世界ごと最初からなければよかったのに。そしたら誰も苦しまなかった。私が存在すらしなくて済んだのに...」真っ赤な鞄を背負いながら空を見上げては、そんなことばかりを考えていたあの頃。教えてほしかった。知りたかった。

救われたかったんだ。


今この時も、苦しみの中にいるあの頃の私と同じ誰かがきっといて。その誰かが救われる世界が絶対ちゃんとあってほしい。私が今これを書いている理由はそういう 祈り です。


地続きの痛みが、ぜんぶなかったことにされてしまう。こんな世界は地獄だから。
審査員のコメント
She is・竹中万季
雨月さんのメッセージは心の奥の奥のほうまで届きました。noteでも書かれていた「救われなかったから救いたい」という言葉がずっと印象に残っています。
戸田真琴
たしかに大切なことを、勇気をもって伝えに来てくださってありがとうございます。この世界は雨月さんが生きていくには過酷すぎるな、と思うと同時に、雨月さんがなにも問題なく理不尽に苦しむことなく生きていける世界こそがまず目指すべきものなのだと思いました。あなたの繊細さに、世界の方が釣り合いますようにと。