写真と朗読賞

No.1509
泡井 才アワイ サイ
写真,映画,映像制作 /
自己紹介PR
2つ欲しければ2倍努力する。
今までそうやって欲しいものを手に入れてきた。
穏やかな生活と自己表現、今は器用に生きられないけれど、また必ずどちらも手に入れると心に誓う。

私だけの話をする。
2019年、初夏の東京。
入社から数ヶ月。時間と引き換えにお給料を手に入れ、もっと趣味を謳歌するのだと意気込んでいた矢先、勤務先の配属が地方に決まった。つまり上京の逆バージョン。
その配属通達は、家族・友人・趣味の全てが東京で完結していた私にとって、生きがいの全てを奪うようなものに思えた。
頭では現実を受け入れても、心がなかなか追いつかず、帰宅した玄関先でスーツのまま大泣きしたことは、今でも鮮明に覚えている。
それから新入社員当時に抱いていた「仕事とプライベートの両立」への憧れは、あっけなく崩れ去ることとなる。

山に囲まれた引越し先に顔見知りがいるわけもなく、配属後の人間関係は、いつの間にか会社だけで完結するようになった。日々増えていく業務に追われ、7時半出社21時帰宅の生活になるまでにも、大して時間はかからなかった。
会社が世界の全てになってしまったから、若さや性別のステレオタイプを押し付けられることがあっても、自分を殺してあやふやにやり過ごすしか、そこで生きていく術がない。

それから約1年、現在に至る。
自分で選んだはずの道に対して「もしかしたら間違えたかもしれない」と、不安や焦燥感に駆られる夜、数知れず。

世界はこんなにも目まぐるしく変わっているというのに、その片隅で精神を磨耗しながら淡々と働き続ける未来が、今から透けて見えてしまって恐ろしい。
それだけの人生なんて嫌だ。好きなものを手放し、仕事だけに身を捧げるのは、私にとって死ぬことと同義だ。

だから私はカメラを手にとり、少しずつ日々の幸福を切り取る。心の水平を保てるように。
小さな光を、見失わないように。


将来の夢は何ですか?:個展を開くこと、好きな人達とずっと笑って過ごしていくこと、誰かの居場所になれるような雑貨店かカフェを開くこと

あなたの武器(特技、スキル、資格など)は?:静かでぬるい温度感の表現、タイ語会話

あなたの好きな映画は?:さんかく、(500)日のサマー、マイ・ブルーベリー・ナイツ など

あなたの好きなアーティスト、音楽は?:チャットモンチー、maison book girl、□□□、lo-fi hiphop全般

あなたの好きな本は?:重松清「日曜日の夕刊」、加藤千恵「ハニービターハニー」、中原中也の詩集

ひとつだけ魔法が使えるなら?:瞬間移動でどこにでも自由に行けるようになりたい

あなたにとってのアイドルは誰?:今川宇宙さん、森川葵さん、橋本愛さん

アフターコロナの世界に期待することは何ですか?:好きなことを仕事にしても不安を抱かない世界に、いつか戻ってほしいと思います