ミスiD2022 表現者賞
- 自己紹介PR
- わたしの詩
世界中の映画を集めたらわたしの、人生という時間の単位を映画だけで、埋められるかもしれないと、そんなことを考えていた。春の輪郭に足を滑らせたわたしは、そよ風に追い捲られてこの布団のなかに潜りこんだ。ただこの場所は君のおしりの、青あざのようなものだよ。君が自動販売機の下に落とした100円玉のようなものだよ。陽に照らされないからといって拾うことをしなければまるで、最初からなかったかのように別の次元で生きて死ぬのがわたしだと、反射のような心地で過ごしていた。
確信に変わらない日々が君に拾われることを期待してまた、春に息を吹き返す。わたしはこの春に咲き匂う、桜の花になりたかった。誰かが揺さぶられた美しさの、名前のない成分となりそして、家に帰れば忘れられたかった。太陽とみつめあってもわたしがばれないように、眠っていたかった。君の知らないふりが木漏れ日のやさしさだとわかるくらい大人になったとき、君はわたしを栞にして365ページを生きる。君の生きる春が存在したという事実をわたしのあとがきに残して、生きてゆく。
どの色を基準点としてわたしは青空になれるだろう。上を向いて歩けば、命を踏み殺したことにさえ気づかないまま、澄ました顔で君に手紙を出す。忙しなく生きているふりをする。君に何かを伝えるためにわたしは、尊いものを犠牲にしたような気でいるので、心から君の胸に顔を埋めることすらできない。
片目で見る星が思っていたよりも綺麗だったことに絶望してまた、仮眠する。今日は視界がよく見えるから、ぶつかってしまいそうだ。君だけがわたしに気づいて、傷ついている。それでもわたしは、君にかわいそうと言われる7日目の蝉にはなりたくなかった。
わたしの脱ぎ捨てた皮膚はわたしが、拾う。これは君への贖罪だよ。わたしたちは平になるために生まれた。わたしはわたしをわたしで埋めなければ、君に愛されることはない。
将来の夢:映画監督と詩人
よく言われる第一印象:怖いひと
でも本当は?:人見知りなだけですよ。
テンションがあがる瞬間:雪の降り頻るなか、コンビニのアイスをレジに持っていく瞬間。
好きなアーティスト、歌手:大森靖子さん 崎山蒼志さん ビリー・アイリッシュさん
好きな本、漫画:三島由紀夫「金閣寺」 西加奈子「サラバ!」
好きな映画、アニメ:小さな悪の華(1970) ひなぎく(1966) 式日-SHIKI-JITSU-(2000) ゴーストワールド(2001) PicNic(1996) うつしみ(1999) ...... 書き切れません。
よく見るテレビ番組:最近は全然テレビを見ていないけれど、昔は教育番組が好きでした。
よく見るYouTube:深田えいみさん
会ってみたい人(有名無名問わず):「男の子女の子」の郷ひろみさん 藤井聡太さん
最近気になるニュース:フェミサイドについて。
常々疑問に思っている常識:「常識がある」という言葉の常識。
時間を忘れるほど没頭できること:なにかを創作しているとき、または創作物に触れているとき。
最近の悩み:知り合いと親が同じ空間に居合わせたとき、わたしは何者であるべきか。
あなたが自分で武器だと思うもの:自分だけの部屋、シングルベッドをステージにしてスマホとイヤフォンで作詞作曲。歌も歌います。英検2級ですが、カナダにホームステイしたときはほとんどイエスとノーで乗り切りました。他にも数検、漢検、暗算・珠算検定などを持っていますが、おそらく忘れてしまいました。柔道黒帯なのでそう簡単に誘拐することはできません。根性あります。
あなたが自分で弱点だと思うところ:(弱点も裏を返せば武器になると思っているのでありません)
これから始めてみたいこと:海外へひとり旅、パリの街角で小説を書きたい。
あなたにとってのアイドル、神様:大森靖子さん 中森明菜さん
ミスiDを知った時期ときっかけ:高校生のとき、友人が応募していた。
好きな、気になるミスiD(いなければなしでもOK):眉村ちあきさん
- 審査員のコメント
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- SPOTTED PRODUCTIONS 直井卓俊
発表されている音楽のレベルが高く、さらには映像を作られる人でもあり多才!音楽×映画な作品が1人で出来る逸材かもしれません。これからの活動に期待してます。
- 戸田真琴
自分一人でいる時の繊細な感覚を保ったまま、他者と共にやらなければほぼ不可能である「映画」というフォーマットでの表現を探るのはとても大変なことですが、ほんとうは、「たった1人で映画を作りたい」と願ってしまうような人こそが、映画を作るべきなのだと思っています。詩人だと思ったので、時に言葉で、時に音楽で、時に映画で、ご自分に見えている世界を芸術として再構築していってほしいです。